出口 真紀子, Belle Liang, Jennifer A. Grossman
Qualitative Research in Psychology 4(1-2) 187-205 2007年10月
当研究は中国系アメリカ人中学生が非アジア人の同輩が自分たち(アジア人)をどのように捉えているのか彼らの認識について調査した。22人の中国系アメリカ人(11歳から15歳まで)を4つのフォーカス・グループに分けてインタビューを行った。インタビュー内容をテーマ分析した結果、人種差別に関する3つのテーマが浮かび上がった。一つ目はステレオタイプされているという体験、二つ目はハラスメントを受けたなどの差別体験、三つ目は彼らによる「なぜ差別を受けるのか」という自己分析だった。こうした研究結果はアメリカに住むアジア系アメリカ人中学生がどのように同輩との関係を捉えているか参考になるだけでなく、彼らが経験する一見些細な捉えにくい形の差別体験についてより理解を深めることができる。当論文では更なる研究及び今後の教育的介入について言及する。