当研究ではアメリカに移住した東海岸に住む日本人女性10人を対象に文化適応体験に関する聞き取り調査を行った。彼女たちは1948年から1977年の間に渡米し、アメリカ滞在年数は平均39.2年。インタビューから導きだされた文化適応の語りを分析すると4つの語りのパターンが浮き上がった。一つ目は 「Becoming American(アメリカ人になる)」、二つ目は「I Can Be Myself Here(ここでは自分らしくいられる)」、三つ目は「Finding a Cultural Niche(文化的ニッチを見つける)」、そして四つ目は「I am a Guest(私はお客さん)」である。当研究の結果、異国に移住する前の文化適応の度合い及び性格と文化的環境との相性、などの要因が文化適応プロセスに大きく影響し、今後そのような要因により焦点を当てる必要性について言及する。