吾妻 壮, Soh AGATSUMA
神戸女学院大学論集 62(2) 1-14 2015年12月
夢分析は、S. フロイトによって創始された精神分析における極めて重要な方法の一つである。夢分析の方法は、夢を幼児的願望の偽装された表現として考えるというフロイトの画期的な考え方によって始まった。近年、夢の内容的側面のみならずプロセス的側面につて論じようという試みが、特に関係論的思考を持つ分析家によってなされてきた。この論文では、夢の相互作用的性質を明らかにする夢分析の方法の発展について探求し、このように拡張された方法の重要性を論じる。理論的議論の臨床的意義を探求するために臨床素材を提示する。