研究者業績

松本 いく子

マツモト イクコ  (Ikuko Matsumoto)

基本情報

所属
上智大学大学院 実践宗教学研究科 博士後期課程
学位
修士 (死生学専攻)(2021年3月 上智大学大学院 実践宗教学研究科)
MA International Development Education(1987年8月 Stanford University Graduate School of Education)
BA(1985年6月 Department of Comparative Culture, Sophia University)

J-GLOBAL ID
202401017783960104
researchmap会員ID
R000073888

主要な論文

 4
  • 松本 いく子
    平和研究 62 75-104 2024年7月31日  査読有り
    マーシャル諸島共和国は1986年に独立を果たすまで1世紀の間、ドイツ・日本・米国の支配下に置かれ、太平洋戦争と冷戦の過酷な被害がもたらされた。ドイツは1914年に日本軍により追放され、マーシャル諸島は国際連盟委任統治領として1921年に日本に委ねられた。戦後は国際連合信託統治領として米国に託された。1946年から1958年に67回繰り返された核実験や1959年に始まったミサイル実験などの軍事活動は、先進国の安全保障の名のもとに国連組織に正当化された構造的、直接的、文化的暴力と捉えられる。本稿は、軍事活動の影響に苦しむロンゲラップとクワジェリンの被害住民が積極的に参加した、太平洋島嶼民による太平洋非核独立運動に、太平洋教会協議会(PCC)や世界教会協議会(WCC)が継続的に関与したことに着目する。本稿の目的は、キリスト教系地域・グローバル組織PCCやWCCが、国際社会に声を持たない被害住民という弱者の側に立ち、太平洋非核独立運動という地域の政治運動と協働した過程と、地域や欧米の市民社会との連帯と支援を動員した役割を検討することにある。この役割を「公共宗教」という宗教社会学の概念に沿って考察することで、国家や権力、核兵器開発を正当化する古い宗教とは異なる、市民社会に根ざした公共宗教という新たな様態として捉える。PCCとWCCが、軍事活動被害者の運動に精神的支柱と組織的支柱を提供したことを明らかにし、トランスナショナルな公共宗教の可能性を提示する。

主要なMISC

 1

所属学協会

 6