Social Networking Approach(當作, 2013)が学習目標に掲げているように日本語教育では人や社会とつながる力の育成が重要視されはじめている。良好なつながりは内発的動機づけを高める要因の一つであるとの説がある(デシ&フラスト, 1999)。本発表は、この説をもとに上級レベルの学習者にリレー作文(数人が内容を段落単位などで書きつなぐ協働作文)を採り入れたプロジェクト型学習を実践してもらった。実践を通し学習者の人や社会とのつながりの様子とそこでの心の動きの詳細、更には作文・ビデオといった成果物に何がどう影響したかを明らかにする。
リレー式ストーリー・ライティング活動で作成されたストーリーと学習者からのフィードバックを分析し、嶋津(2013)の挙げた教育効果を支持するとともに、それ以外に以下に示したような多数の教育的効果・意義の可能性を示唆するものである。
① 教育的効果:協調性を発動させる
② 教育的効果:協調性を理解する
③ 教育的効果:創造力・想像力を発動させる
④ 教育的効果:気づき・内省を促進させる
⑤ 教育的効果:気づき・内省をもとに実践・考察・提案を誘引させる
⑥ 教育的意義:エンターテインメント性がある