研究者業績

服部 隆

ハットリ タカシ  (Hattori Takashi)

基本情報

所属
上智大学 文学部国文学科 教授
(兼任)文学研究科国文学専攻主任
学位
文学修士(上智大学)

研究者番号
10289598
J-GLOBAL ID
200901075933433780
researchmap会員ID
1000119102

教育活動:学生が自発的に自分の言葉で表現する態度を期待している。1)全学共通科目では、学生の国語力の向上とともに、国語史を現代的な観点から捉え直すことを目指し、「文章構成法」では、講義と並行して作文の添削を行っている。2)学科科目では、特講で現代日本語の文法を記述的な観点から論ずるとともに、演習で明治時代の言語状況を国語史・国語学史的観点から精査し、それを現代の国語および国語研究と関連づけるよう努めている。
研究活動:以下の3点について研究を行っている。1)明治期を中心とした文法学説史:西周・大槻文彦・松下大三郎・山田孝雄など、個々の文法論がどのような過程を経て成立したかを調査する。また合わせて、品詞論・統語論の研究史が概観できる19世紀文法術語索引を作成中である。2)江戸時代のオランダ語研究に見られる日本語意識:江戸時代のオランダ語文法書および蘭和辞書を資料にしながら、オランダ語研究と日本語研究の交渉について調査を行う。3)近代文体の発生史:明治期における言文一致文体の成立史について、資料調査とともに、分析のための方法論を模索する。

(研究テーマ)
日本語文法研究史に関する研究
近代日本語の文章・文体に関する研究(文章史および教授法)
日本語の語構成に関する研究


論文

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MISC

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書籍等出版物

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  • 服部, 隆 (担当:共著, 範囲:第4章文法研究史 2.主要文法学説 456-474)
    朝倉書店 2021年9月 (ISBN: 9784254510669)
  • 服部 隆 (担当:共著, 範囲:72-83)
    朝倉書店 2020年7月1日
    山田美妙「武蔵野」「蝴蝶」の語彙を語種・品詞の分布から計量的に比較し、常体・敬体という文体差は語彙の選択に影響を与えていないことを指摘した。また併せて、使用語彙の大槻文彦編『日本辞書言海』への収録状況を確認し、山田美妙が言文一致体小説にふさわしい語彙を意識的に選択していた可能性を論じた。
  • 服部 隆
    ひつじ書房 2017年2月17日 (ISBN: 9784894768376)
    明治時代は、江戸時代の伝統的国語研究が「発見」した日本語文法を、西洋的なフィルターを通して「語り直す」時代であった。本書は、伝統的国語研究と西洋文典の利用法の検討から、品詞論・統語論において品詞の分類法や文法論上の諸概念が確立していった過程を明らかにするとともに、西周・松下大三郎による文法研究の背景、さらに文法用語の変遷を取り上げ、今日に通じる文法論の基盤が明治期に成立してゆく過程を、系統的・総合的に記述することを目指した。
  • 2016年9月
    「レポート⑫ 『浮雲』の「だ」と「である」」P147-158を担当・共著。
  • 服部 隆 (担当:共著, 範囲:194-224)
    明治書院 2013年11月10日 (ISBN: 9784625514029)
    「第7章 品詞分類の方法と歴史」において、学校文法との関わりの観点から、品詞の定義、品詞分類の必要性、品詞分類の方法と基準、品詞分類の歴史などについて論じた。
  • 服部 隆 (担当:共著, 範囲:424-438)
    おうふう 2011年3月25日 (ISBN: 9784273036362)
    「江戸時代のオランダ語研究における「助語」小考―中野柳圃『助詞考』・宇田川玄随『蘭訳弁髦』における訳語を中心に」というタイトルのもと、18世紀末のオランダ語学書『助詞考』・『蘭訳弁髦』における「助詞・助語」の訳語について、副詞・接続詞・前置詞・代名詞の訳語が後続する対訳辞書にどのような影響を与えたか、名詞の曲用・動詞の活用と関わる冠詞・助動詞の翻訳法がどのような状況であったかを考察した。
  • 服部 隆 (担当:共著, 範囲:241-263)
    ひつじ書房 2010年12月 (ISBN: 9784894765344)
    「明治後期の松下文法―山田孝雄『日本文法論』との関係から」というタイトルのもと、明治後期の松下文法における文典の組織、および文法単位観が山田孝雄『日本文法論』からどのような影響を受けたのかについて考察した。
  • 服部 隆 (担当:共著, 範囲:219-232)
    ひつじ書房 2005年6月27日 (ISBN: 489476234X)
    「西周の文法研究における句(Sentece)」というタイトルのもと、明治十年代までの西周の文法研究における「句(Sentence)」の扱いを検討し、「句」という概念が係助詞・副助詞の分類や、従属節の記述において一定の役割を果たしていた点を確認した。
  • 服部 隆 (担当:共著, 範囲:21−59)
    明治書院 2004年6月30日 (ISBN: 462543324X)
    「言文一致論の歴史」というタイトルのもと、明治期における言文一致運動の歴史を、文字表記の改革、語法(待遇表現・文意識)、小説における叙述(である体・時制表現)の三点に問題を整理しながら概観した。
  • 服部 隆 (担当:共著, 範囲:69-91)
    ひつじ書房 2002年3月23日 (ISBN: 4894761467)
    「松下文法の単語観-三矢重松・清水平一郎との関係から」というタイトルのもと、松下文法が、「詞(Word)」を文節相当の単位と捉え、日本語の助詞・助動詞を「詞」と認めない点について、松下および國學院の同窓生である三矢重松・清水平一郎が明治期に公刊した文典の共通性を指摘しながら、松下文法の単語観が育まれた環境を検討した。
  • 1995年12月25日
    第二章「文・ことば・表記」のうち、P15-35を担当した。

講演・口頭発表等

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共同研究・競争的資金等の研究課題

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