研究者業績

木村 洋

キムラ ヒロシ  (Kimura Hiroshi)

基本情報

所属
上智大学 文学部国文学科 准教授
学位
学士(文学)(神戸大学)
修士(文学)(神戸大学)
博士(文学)(神戸大学)

連絡先
hkimura2015gmail.com
J-GLOBAL ID
200901088567809431
researchmap会員ID
6000014020

 専門は日本近代文学。1981年、兵庫県生まれ。2004年3月、神戸大学文学部卒業。2007年3月、神戸大学大学院文学研究科修了。2010年3月、神戸大学大学院人文学研究科修了。2009年4月~2010年3月、日本学術振興会特別研究員DC2。2010年4月~2011年3月、日本学術振興会特別研究員PD。2011年4月、熊本県立大学文学部講師。2014年4月、同准教授。2018年4月、上智大学文学部准教授(現在に至る)。
 主な業績として『文学熱の時代 ― 慷慨から煩悶へ』(名古屋大学出版会、2015年)、『変革する文体 ― もう一つの明治文学史』(名古屋大学出版会、2022年)がある。


論文

 23
  • 木村洋
    井上泰至編『混沌と革新の明治文化』勉誠出版 159-173 2023年7月  招待有り
  • 木村洋
    国語と国文学 100(7) 3-17 2023年7月  招待有り
  • 木村洋
    文学+ 3 2022年7月  招待有り
  • 木村洋
    日本文学 70(12) 11-22 2021年12月  査読有り
  • 木村 洋
    日本近代文学 105 32-47 2021年11月  査読有り
  • 木村洋
    上智大学国文学科紀要 (37) 161-188 2020年3月  招待有り
    西澤美仁教授・小林幸夫教授退休記念号
  • 木村洋
    鈴木健一編『明治の教養 ― 変容する〈和〉〈漢〉〈洋〉』勉誠出版 198-217 2020年1月  招待有り
  • 木村洋
    日本近代文学 100 15-30 2019年5月  査読有り
    北村透谷の文業から、高山樗牛のニーチェ熱を経て、自然主義運動に至る展開は、「人生」「人生観」という個人的な問題への関心において一貫していた。さらにこの潮流に連なる形で、文学者の人生観を探る人物論型の文学研究も勃興する。従来透谷や自然主義者などの文学者たちの試みは、社会からの「逃避」として否定的に理解される傾向にある。しかし「人生」「人生観」をめぐる一連の展開を追跡していくと、当時の文学が統治権力にも新たな対応を迫る形で、社会的な諸勢力のあいだに対話や交渉を生み出すための装置として稼動していたことが見えてくる。
  • 木村 洋
    言語社会 13 117-131 2019年3月  招待有り
    (特集2 新聞メディアと文学 明治20年代 = Newspapers and Literature in Meiji 20s (1887-1896 Early Modern Japan))
  • 木村洋
    日本文学 68(2) 31-42 2019年2月  査読有り
  • 木村洋
    日本近代文学 97 1-16 2017年11月  査読有り
    坪内逍遥『小説神髄』の登場を経た一八八〇年代後半から一八九〇年代は、写実主義小説の時代だったと要約できる。しかし徳富蘇峰は逍遥の小説観に沿わない考え方を抱いていた。そしてこの人物を主な推進者とする形で一八九〇年前後に始まった、ユゴー流の認識の導入によって日本文学の刷新を図るという企ては、「社会の罪」という提言(森田思軒)を得ることで多くの賛同者を集め、のちの樋口一葉たちの小説に結実する。こうした「社会の罪」をめぐる資料群を掘り起こしていくと、従来互いに関連するものとして論じられてこなかった蘇峰と一葉の文業も同じ「社会の罪」という系譜の上にあったことが見えてくる。
  • 木村 洋
    民衆史研究 (92) 7-20 2016年12月  招待有り
  • 木村洋
    文学 17(3) 49-66 2016年5月  招待有り
  • 木村洋
    日本文学 64(6) 27-38 2015年6月  査読有り
    一八八〇年代後半に徳富蘇峰は、政治小説の流行に対抗する形で複数の感想録や文学評論を『国民之友』に発表し、さらに同誌で文学を厚遇した。蘇峰が「美文学の庇護者」、「精神的開国」の推進者として称えられたのはそのためだった。文学の地位を高めようとする蘇峰の熱意は当時の言論界のなかで突出しており、功利主義的という従来的な評価だけでは蘇峰の活動の意義を適切に捉えることができない。
  • 木村洋
    国文論叢 (47) 80-94 2013年9月  査読有り
  • 木村洋
    日本近代文学 (88) 1-16 2013年5月  査読有り
    In 1903 a high-school student, Fujimura Misao, committed suicide, leaving a note stating that "The truth of all matters can be described in one word : mysterious." This strange incident stirred up a great deal of public discussion, and three years later, in 1906, a directive was issued by the Ministry of Education in an effort to chastise and control students sympathetic to Fujimura. This study sheds light on the way the Naturalist Movement reacted to the authorities' treatment of the incident. What is particularly noteworthy is the provocation supplied by conservative critics and educators who fiercely attacked Fujimura and the influence literature had on his suicide. Their attacks grew fiercer as they built close ties with the authorities. It seems that those who participated in the Naturalist Movement were keenly aware of this development: that encouraged them in carrying out their slogan, "Overcoming the Old Virtues, Destroying the Conservative Ideology." This also engendered a literary approach that valued depth of sympathy for Fujimura's mental struggle. Furthermore, this development was closely tied to the advent, as the leading author of Naturalism, of Kunikida Doppo, a writer who had previously overcome a great deal of adversity.
  • 木村洋
    国文研究 (57) 1-16 2012年6月  
  • 木村洋
    国文論叢 (44) 51-65 2011年3月  査読有り
  • 木村 洋
    日本近代文学 (81) 33-48 2009年11月  査読有り
  • 木村 洋
    日本近代文学 79(79) 15-29 2008年11月  査読有り
  • 木村 洋
    国語と国文学 85(10) 41-55 2008年10月  査読有り
  • 木村 洋
    日本文学 57(6) 42-52 2008年6月  査読有り
    『小説神髄』以後の馬琴批判の文脈を考察するために、初期の松原岩五郎の著作活動を取上げる。従来注目されていないが、『最暗黒之東京』の作者として知られている松原岩五郎は、自らの文学営為の方向性を当時の馬琴批判との関連から勘案しており、貧民窟ルポルタージュの制作へと至るその一連の活動は、馬琴の支持者たる同時代の学士・知識人たちの価値体系との抗争として顕在化していた。本論はこの様相に着目しつつ、『小説神髄』以後、馬琴批判が当初のものよりも先鋭化された形で運用されていく展開を明らかにした。
  • 木村洋
    日本文学 57(2) 32-42 2008年2月  査読有り
    国木田独歩が「人民の歴史」を提言した民友社史論の動向に強い関心をもっていたことは、その幾多の言動によって裏付けられる。しかし民友社同人たちが、「経世家風の尺度」という限定的な視野においてのみ「人民」の記憶に努めるとき、独歩は、彼らとは異なる記憶の推進こそを自己の役割として発見する。「源(げん)おぢ」「武蔵野(むさしの)」など、独歩の初期作品が制作されるのは、そのように民友社史論の立脚する「経世家風の尺度」の制約を見据えつつ、文学の自律性を確保していく過程においてなのである。

MISC

 21

書籍等出版物

 2

講演・口頭発表等

 5

共同研究・競争的資金等の研究課題

 5