渋谷 智治, 坂庭 好一
電子情報通信学会総合大会講演論文集 1996 245-245 1996年3月11日
BCH符号,Goppa符号,交代式符号などのように,有限体GF(q^m)上の符号Cの部分体部分符号として構成されるGF(q)上の符号C|_<GF(q)>の中に優れた性能を持つ符号の存在することが知られている.また,検査点数が比較的小さい場合,代数幾何符号の一クラスであり高性能な符号を多く含むことが知られている曲線C_<ab>上の留数Goppa符号よりも,拡大BCH符号が優れていることが示されている.一方,BCH符号はReed-Solomon(RS)符号の部分体部分符号であること,またRS符号は種数0の曲線上の代数幾何符号として構成されることが知られている.従って,より一般の代数幾何符号の部分体部分符号に関する考察は重要な意義を持つと考えられる.任意の曲線上の留数Goppa符号の部分体部分符号の次元に関する限界式は[3]で与えられている.しかしながら,この限界式は,もとの符号の検査点数が大きくなると必ずしも厳密なものとは言えない.また,実用に際しては符号構成の容易さも重要となる.そこで本稿では,曲線をC_<ab>に制限することにより,部分体部分符号の次元に関する限界式の改善を行う.