高塚 雄也, 長島 勝城, 萬代 雅希, 渡辺 尚
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 2006年5月11日 一般社団法人電子情報通信学会
近年,指向性アンテナの使用を仮定した指向性MACプロトコルが提案されている.従来の指向性MACプロトコルでは,理想的なアンテナビームパターンが仮定されていた.しかしながら,実アンテナビームパターンを用いた場合,サイドローブ,バックローブ等のマイナーローブの存在により,理想アンテナでは考慮されていなかった問題が発生することが考えられる.本論文では,実アンテナビームパターンを用いて既存のMACプロトコルを評価し,問題点を定量的に明らかにする.問題点として, NAVが適切に設定されないために起こる四つの衝突を明らかにし,それらについて考察する.続いて,実アンテナの使用を仮定した指向性MACプロトコルを提案する.提案方式では,指向性巡回待機,NAV (Network Allocation Vector) requestフレームの送信により,周辺端末との衝突を回避する.シミュレーション結果により,実アンテナビームパターンを適用した従来のMACプロトコルと比較し,提案方式のスループット性能が向上することを示す.