渡辺 正浩, 許 涛, 萬代 雅希, 渡辺 尚
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム 2009年7月9日 一般社団法人電子情報通信学会
キャリアセンスによる待機時間について,現行のIEEE802.11DCF(Distributed Coordination Function)による2進指数バックオフアルゴリズムでは,特に再送時の待機時間が長くなり,スループットへの影響が大きい.そこで,送信成功や再送に係わらず,周辺端末の台数と電波環境を考慮する方式を提案する.電波環境の指標としては,受信信号の強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)やエラーレートとし,実環境において,スループットを高くするバックオフ時間の最適値を実験により求める.実験の結果,2wayのDATA/ACK方式と,4wayのRTS/CTS/DATA/ACK方式の両ケースについて,CWによるスロット競合だけでなく,電波環境によるパケットロスも含まれるために,比較的小さなCW値でスループットが最大となることを示す.特に,2wayの場合には,4wayの様な隠れ端末対策が無いので,周辺端末台数が少なくCW値が小さくてスロット競合が起こりやすい場合には,この傾向がより顕著となることを示す.