研究者業績

福武 慎太郎

フクタケ シンタロウ  (Shintaro Fukutake)

基本情報

所属
上智大学 総合グローバル学部総合グローバル学科 教授
学位
学士(哲学)(上智大学)
修士(文学)(南山大学)
博士(地域研究)(上智大学)

連絡先
fukutakesophia.ac.jp
通称等の別名
辰巳慎太郎
研究者番号
80439330
J-GLOBAL ID
200901043372452950
researchmap会員ID
6000005643

(研究テーマ)
東南アジア島嶼部の高地社会におけるコーヒー栽培と生活様式に関する人類学的研究


経歴

 8

学歴

 3

主要な論文

 13
  • 福武慎太郎
    文化人類学 72(1) 44-67 2007年6月  
    本稿では東ティモールにおいて独立の是非を問う住民投票後の騒乱のさなかにおこった少女の連れ去りを事例として、少女が反独立派民兵の「性奴隷」の状態にあると訴える支援活動の言説と、「結婚」の文脈で説明する少女の家族、および共同体の理解の相違について考察する。従来の人類学は、略奪婚を集団間の結婚の一形態として記述し、共同体における儀礼的、社会的意味により関心を払ってきた。しかし結果として出来事の暴力性、当事者である女性の視点には注意が向けられなかった。他方、紛争下の性暴力の問題を訴える普遍的人権やフェミニズムの言説は、略奪婚も紛争下の性暴力の一形態として取り上げるようになった。しかしながらそうした言説の持つ普遍主義的性格は、当事者である女性の経験の多様性を奪っている側面もみられる。このような略奪婚をめぐるグローバルな言説とローカルな規範双方における当事者である女性の視点の不在は、近年の研究で指摘され、当事者の視点に主眼をおくことの重要性が指摘されるようになった。本稿の事例では、当事者である少女自身が新聞報道を通じて誘拐の事実を否定し、結婚の意思を表明していた。本稿ではこの当事者からの拒絶に対する人権活動家、家族、共同体それぞれの反応に焦点をあてることによって、この出来事をめぐる「和解」の認識論的問題について考察を試みる。この考察によって、暴力をめぐるグローバルな言説と共同体や当事者の論理の相違は、「他者」が受けた痛みに主眼を置く普遍的立場と、「自己」が受けた痛みをどのように解決するかという「和解」の論理にあることを主張する。この議論を通じで、出来事の暴力性を抹消することなく、かつ当事者のエージェンシーをも認めうる民俗誌的記述の可能性を探る。

MISC

 4

主要な書籍等出版物

 25

講演・口頭発表等

 22

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

 15

社会貢献活動

 4