理工学部

高橋 和夫

タカハシ カズオ  (Kazuo Takahashi)

基本情報

所属
上智大学 理工学部物質生命理工学科 教授 (応用化学領域主任)
大学院理工学研究科応用化学領域 教授
学位
工学博士(1989年3月 上智大学)

研究者番号
10241019
J-GLOBAL ID
200901015008674235
researchmap会員ID
1000306060

外部リンク

専門分野:化学熱力学・反応速度論に基づく環境化学

研究テーマ:『カーボンリサイクル・カーボンフリーな次世代自動車燃料と化学反応制御により究極熱効率を目指したエンジン燃焼技術の研究開発』

現在の自動車の多くは,ガソリン,軽油,天然ガスなどの化石燃料を内燃エンジンの中で燃焼させて走っています。しかし,温暖化やそれに伴う気候変動,化石資源の枯渇等,地球規模の課題を解決するためには,自動車もこれに対応しなくてはなりません。日本では温室効果ガス排出について,2030年までに2013年度比46%削減,2050年までに実質ゼロ(カーボンニュートラル)の目標を掲げています。自動車分野がこの目標を達成するためのアプローチはさまざまあり,未だ確定的ではありませんが,私たちの研究グループでは従来の内燃エンジンで燃焼させる燃料を変えることによってこれを実現しようとしています。

自動車エンジンから排出される二酸化炭素を減らしたり実質ゼロにしたりするには,①新しい燃料の開発と②自動車の熱効率向上の2つの観点で研究することが必要です。燃焼で生成する二酸化炭素を回収し,再生可能電力で製造した水素でこれを還元して燃料を再生(炭素循環型合成燃料,e-fuel)したり,これらの回収・還元プロセスを植物の力(光合成)を借りて行うこと(バイオ燃料)により,自動車が走っても二酸化炭素がこれ以上増えることはなくなります。また,最近では水素のエネルギーキャリアとして注目されているアンモニアを燃料として燃焼させると,アンモニアには炭素を含んでいないので二酸化炭素は排出しません。

このようなカーボンリサイクル燃料やカーボンフリー燃料を自動車燃料として用いれば,自動車からの温室効果ガス排出を実質ゼロにできるのですが,これらの燃料の製造コストは化石由来のガソリンや軽油に比べて当然のことながら高くなります。このコスト高を吸収するためには,自動車の熱効率(燃費)を向上させなくてはなりません。われわれは,先述の次世代自動車燃料の開発に加えて,エンジン燃焼中の化学反応を追跡できる高圧衝撃波管という特殊な装置を用いて反応を制御することにより,自動車エンジンの熱効率を現在の40%から60%に向上させる研究も同時に行っています。


委員歴

 3

論文

 51

講演・口頭発表等

 136

担当経験のある科目(授業)

 9

共同研究・競争的資金等の研究課題

 25

その他

 3