今若 太郎, 平塚 和也, 宮﨑 光次, 角田 直也
日本体育学会大会予稿集 2018年 一般社団法人 日本体育学会
<p> 本研究は大学野球選手における直線走疾走時間と2塁走疾走時間の比(2塁/直線比)を基に群分けを行い、疾走時間及び疾走動作を比較することで、走塁における技術的要因について明らかにすることを目的とした。男子大学野球選手104名を対象に、2塁走と同距離の直線走及び2塁走の測定を実施した。いずれの試技も13.72m毎に光電管を設置し、疾走時間を計測した。また、2塁走においては疾走中の動作をデジタルビデオカメラで撮影し、取得した画像から各区間における最大の膨らみ幅及び体傾斜角度を算出した。2塁/直線比の平均値±1SDを基準にExcellent Group(EG)、Poor Group(PG)、Normal Group(NG)の3群に分類した。その結果、2塁/直線比が低値を示すEGは、1塁触塁前の体傾斜角度が大きく、触塁後の膨らみ幅が小さいことが明らかになり、一方で、PGは1塁触塁前の体傾斜角度が小さく、触塁後の膨らみ幅が大きいことが明らかとなった。以上のことから、2塁走の技術的要因として、1塁触塁前後の体傾斜角度と最大膨らみ幅が2塁走に影響を及ぼす可能性が示唆された。</p>