研究者業績

米澤 昌子

ヨネザワ マサコ  (MASAKO YONEZAWA)

基本情報

所属
上智大学 言語教育研究センター 講師
学位
学士(文学)(同志社大学)
修士(国語学)(同志社大学)

連絡先
m-yonezawa-1ensophia.ac.jp
J-GLOBAL ID
201201089078590321
researchmap会員ID
7000002608

論文

 13
  • 米澤昌子
    同志社日本語研究 12\\(12) 46-58 2015年9月  
    本稿では、『朝日新聞』に掲載された記事を対象とし、「てほしい」と「てもらいたい」の使用実態を明らかにした。両者の使用総数、文体別の使用数、動作主の明示と助詞の使用、動作と聞き手の関係等の観点から分析を行った。その結果、新聞では「てほしい」が圧倒的に多く使用されていた。その使用は、動作主が聞き手ではなく、特定多数であり、明示されないといった形が最も一般的な使用場面であったことを指摘する。In this paper, I analyzed the use of the example of "tehoshii" and "temoraitai" based on "Asahi Shimbun" from July 01 to July 07, 2015. I mainly analyzed about the following point. For example, the total number of example, the number used by the style, the particle, the agent, the listener. A result, in the newspaper, it found that "tehoshii" is used overwhelmingly more than "temoraitai". In addition, I want to point out that the most common examples of "tehoshii" and "temoraitai" in this paper have the following three characteristics. -"the listener is not the agent" and "the agent is unspecified number of people" and "the agent is not clearly written"-.
  • 米澤昌子
    同志社大学 日本語・日本文化研究 (⒓号) 53-66 2014年  査読有り
    研究論文(Article)行為の授受関係を表す受給補助動詞の一つに「てもらう」があるが、本稿では、2013年10月1日~ 10月31日の『朝日新聞』に掲載された記事を資料対象とし、「てもらう」の基本形の用例を採取し、行為の非当事者が用いる書き言葉「てもらう」の使用傾向を考察した。受給動詞としての「てもらう」は、恩恵授受の表明・行為者への配慮、行為者への働きかけ・依頼などの意味機能が指摘されてきた。しかし、本調査対象においては、前者の意味機能を有する用例はほとんど見られなかった。また、後者の意味機能とも厳密には異なっていた。行為の非当事者による読み手を意識した場面での「てもらう」の使用は、誰の意図により計画された行為であるかを示すと同時に、「(A)の計画によって、(B)がV することになっている」という予定・事実を読み手へ伝達するためのものであることを確認できた。その際、使役表現を避け、「てもらう」を使用する背景として、読み手の存在への意識があると思われる。書き手は使役表現を用いることで、話題の行為の実現を促す「A」に対し、読者が行為の強制者として横柄な印象を持つ危険性を持つと考え、それを回避するべく、「てもらう」を使用していると思われた。読み手を意識した文章の中で、行為の非当事者が用いる「てもらう」には新しい機能が見られた。「てもらう」の考察に際しては、文体や使用者などを含めた一定の条件を設定することの必要性も併せて指摘した。
  • 米澤 昌子
    『同志社大学日本語・日本文化研究』 (11) 23-37 2013年  査読有り
    研究論文(Article)物や行為の授受関係を表す受給動詞の一つである「ていただく」の用法について使用実態を分析した。恩恵意識や上下関係に基づく敬意を示すといった本来の用法とは異なる用法であると思われる「ていただく」が使用されるに至る要因を探った。本稿では、予め頻用が予想されるTV のトーク番組において、主にゲスト・司会者、併せて53 人の発話を調査対象とした。その結果、「ていただく」の全受給動詞の総用例数に占める割合の高さを確認できた。発話の場を、観客・視聴者といった直接の発話の相手にならない聞き手を含む場、テレビ放送というある程度あらたまりが必要とされる場に限定した中で、「ていただく」が頻用されるということは、その使用の要因として聞き手の存在が大きいことが指摘できると思われる。話題の授受関係の明確な与え手に対する謙譲表現として使用される本来の用法よりも、与え手を特定できない、させない用法が目立った。発話の場に存在することになった全ての人々は、話し手の話題の行為に直接関係がなくとも、「ていただく」が使用されることにより、関係ある存在として表現されることになる。つまり、話し手は「ていただく」を用いることにより、個人の話題をその場の共有の話題として提示できるため、聞き手に対し配慮を示せることになるわけである。様々な立場の多数の聞き手が設定される発話の場では「ていただく」は共有の場を作るという機能を色濃くすると考えられる。「ていただく」の使用は、話し手が授受関係の当事者よりも発話の場を優先させ、聞き手を強く意識している表れであることを指摘する。
  • 米澤 昌子
    『同志社大学日本語・日本文化研究』 (10) 1-20 2012年  査読有り
    研究論文(Article)物や行為の授受関係を表す動詞として「やる/くれる/もらう」の三語があり、それぞれに敬語形が存在する。それぞれを本稿では受給動詞、受給補助動詞と呼ぶ。これらの動詞が日本語を特徴づけているのは周知のごとくである。本稿では、2010 年10 月から2011 年10 月の月刊誌『ドラマ』に掲載されたシナリオ24 作品を資料対象とした調査を通して、各受給動詞・各受給補助動詞の性格づけを行った。考察に際し、先行研究を参考にした4 つの観点(1)公的な場面か否か、(2)話し手・聞き手と与え手・受け手との関連性とその在・不在、(3)話し手・聞き手と与え手・受け手との関連性と主格・ニ格の有無、(4)発話時から見た行為の既往・未然、に各語特有の視点を加え、各用例を分析し、考察を試みた。受給動詞・受給補助動詞は、本来、授受行為において受け手の与え手に対する感謝等を示すことが第一義であると思われたが、シナリオから見る使用状況では、与え手・受け手の両方、或いは一方の不在の発話にもその用例が多く見られたことから、その意味用法の拡大を確認できた。また、今回の調査から採取できた用例数は各語によってかなり異なりがあり、日本語教育において、各語の使用頻度からのアプローチが導入の順序を考える上での参考になり得る可能性についても指摘した。
  • 平 弥悠紀, 米澤昌子, 松本秀輔, 佐尾ちとせ
    『同志社大学日本語・日本文化研究』 (8) 1-19 2010年  査読有り
    研究論文同志社大学では、2009年度秋学期現在、交換留学生、日本語・日本文化教育センター学部間協定受入留学生、留学生別科生、学部・大学院生が、8レベル16クラス体制で、日本語の授業を履修している。本稿では、日本語科目受講者を適切にレベル分けし、クラス配置を行うために、学期の初めに実施している日本語プレースメントテストについて、その作成意図と特徴を示した上で、いくつかの特筆すべき事例を分析し、妥当性を検証した。
  • 塩見式子, 米澤 昌子
    『関西外国語大学留学生別科 日本語教育論集』 18(18) 1-15 2008年12月  査読有り
    本稿では、場面や関係によって様々な表現が見られると考えられる「慰め・励まし」における言語行動・非言語行動の様相を、25作品のシナリオを資料とし、考察を行った。その様相は、非言語行動、言語行動、非言語行動と言語行動の併用に分けられる。さらに、言語行動は、話し手の心的態度から5類型に整理した。用例数は「肯定・安心型」が一番多く、「関心示し型」、「促し型」、「行為提供型」、「そらし型」の順となった。これらは単独使用又は併用される。「そらし型」には先行研究に指摘がなかった「飲食をすすめる」という言語行動が見られた。また、性別による行動の差違について、女性は「肯定・安心型」が最も多く、非言語・言語行動の併用を好む傾向があり、男性は「促し型」「肯定・安心型」が用いられやすいことが分かった。
  • 米澤昌子
    『同志社大学留学生別科紀要』 5(5号) 49-60 2005年12月  査読有り
    日本語学習者の発話時において会話文の重要な要素としてあげられる終助詞の誤用がしばしば見られる。意味の誤用以外に,終助詞の使用がほとんど見られない発話例や,逆に使用過多となっている発話例など,使用頻度にも不自然さがあると思われる。また,女性学習者による「今日,一緒に行くか?」など性差別の使用を無視した終助詞の使用も見られる。そこで,本稿では,このような学習者の終助詞の誤用を招く原因を探るために,まず,主だった日本語テキストにおける終助詞の扱いについての調査を行った。さらに適切な終助詞の使用を考える上で,自然な日本語の会話文において,どのような終助詞がどのくらい使われているのかを見るため,シナリオ4作品,4038文を分析資料とし,各終助詞の使用頻度及び終助詞使用における性差傾向の数値的な把握を試みた。その結果,会話時において終助詞は約3発話に一回用いられていることが分かった。また,終助詞全てが平均的に用いられるのではなく,その使用にはかなり偏りが見られた。それは性別による使用状況でも同様であり,男性が好んで使用するもの,女性が好んで使用するものがあることが数値で確認できた。
  • 松本秀輔, 米澤昌子, 入江さやか
    『同志社大学留学生別科紀要』 (5号) 2005年12月  査読有り
  • 米澤昌子
    『同志社大学留学生別科紀要』 (創刊号) 2001年3月  査読有り
  • 米澤昌子
    『同志社国文』 54(54) 20-29 2001年  査読有り
  • 米澤昌子
    『同志社国文学』 (45号) 1996年3月  査読有り

書籍等出版物

 5

講演・口頭発表等

 8

共同研究・競争的資金等の研究課題

 3

その他

 2