塩見式子, 米澤 昌子
『関西外国語大学留学生別科 日本語教育論集』, 18(18) 1-15, Dec, 2008 Peer-reviewed
本稿では、場面や関係によって様々な表現が見られると考えられる「慰め・励まし」における言語行動・非言語行動の様相を、25作品のシナリオを資料とし、考察を行った。その様相は、非言語行動、言語行動、非言語行動と言語行動の併用に分けられる。さらに、言語行動は、話し手の心的態度から5類型に整理した。用例数は「肯定・安心型」が一番多く、「関心示し型」、「促し型」、「行為提供型」、「そらし型」の順となった。これらは単独使用又は併用される。「そらし型」には先行研究に指摘がなかった「飲食をすすめる」という言語行動が見られた。また、性別による行動の差違について、女性は「肯定・安心型」が最も多く、非言語・言語行動の併用を好む傾向があり、男性は「促し型」「肯定・安心型」が用いられやすいことが分かった。