田村南海子, 習田明裕
日本保健科学学会誌(Web) 21 28-28 2018年
【⽬的】終末期がん患者の在宅移⾏に向けた看護実践に影響する看護師の要因について,⽂献検討を⾏い今後取り組むべき課題について考察する.【⽅法】医学中央雑誌web 版(Ver. 5 )でキーワードを「終末期/ターミナルケア」「がん/腫瘍」「療養」「看護師」とし,原著の指定で検索した.該当した162 件中,テーマに関連する11 件とその他先⾏研究から重要と考えられる4 件を追加し15 件を対象⽂献とした.対象⽂献から,終末期がん患者の在宅移⾏に向けた看護実践に影響する要因について記述された⽂章をデータとして抽出した.類似性に基づいてサブカテゴリーを命名し,集まったサブカテゴリーの内容を表すカテゴリーを作成した.その後,カテゴリーを意味内容ごとに整理しコアカテゴリーを作成した.【結果】<終末期患者・家族に関わることに対する姿勢><看護観・死⽣観><在宅療養に関する認識・知識><療養の場の意思決定⽀援に関する実践⼒><医療チームの協働>というコアカテゴリーが導かれた.【考察】終末期がん患者の療養場所の決定に向けた看護実践では,看護師の終末期がん患者・家族への関わり⽅や看護観・死⽣観,また在宅療養に関する知識・認識の不⾜が影響することが明らかになった.また,チームとして医師と看護師の協働の在り⽅も影響要因となることが⽰された.