研究者業績
基本情報
- 所属
- 上智大学 総合人間科学部看護学科 教授(兼任)総合人間科学研究科看護学専攻主任
- 学位
- 学士(看護学)(千葉大学)看護学修士(日本赤十字看護大学)看護学博士(日本赤十字看護大学)
- J-GLOBAL ID
- 201501018678421378
- researchmap会員ID
- 7000013440
研究分野
1論文
32-
小児看護 39(1) 70-75 2016年1月
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日本小児看護学会誌 22(2) 48-53 2013年7月NICUにおいて在宅医療を必要とする子どもの退院調整を行う際に、看護師がどのような困難感を抱いているのか、それを看護チームで共有することで生じる看護師の変化についてアクションリサーチを用いて明らかにした。アクションリサーチ・メンバーによる検討会を通して、NICUにおけるこれまでの退院調整で課題と感じてきたことを挙げて現状を把握した。看護師のNICU経験年数、在宅指導経験の有無、退院調整に関わる院内外の体制、退院調整手続き、退院調整を行う上での困難を問う質問紙を実施した。NICU看護師は小児病棟から家族のケア習得目標のズレやケアの不備を指摘されることが多いことが判明した。そのため自信のなさを感じていることが課題として挙げられた。質問紙調査には29名の看護師が回答した。自由記載で得られた看護師の困難感としては複数の看護師が「どの時期に、誰が、誰に」など他職種・地域連携に関することと、「知識不足のため質問への返答ができない」など自分自身に関することがあった。
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看護研究 40(2) 147-157 2007年4月小児看護師が、「何か気になる」と捉えた子どもやその家族の様子を明らかにすることを目的に、小児看護領域で5年以上の経験を有し、修士修了または修士在学中の12名を対象に半構成的面接を実施し、半構成的面接とナラティブ・インタビューの双方の長所を活かすことができるとされているFlickのエピソードインタビュー法を参考に分析を行った。その結果、看護師が「何か気になる」場面と捉えた子どもやその家族の様子として、以下の6つの場面が明らかになった。1)いつもの子どもや家族とは違っていた。2)ただ事ではないことが起こった。3)子どもと家族のつながりが見えにくい。4)限られた時間を子どもと家族が有意義に過ごせているとは思えない。5)スタッフと家族の間に良い関係性が作れずにいる。6)子どもが満足できない状況が繰り返されている。
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看護研究 40(2) 159-169 2007年4月子どもや家族へのケアが効果をもたらした場面における看護師の臨床判断と関わりを明らかにすることを目的に、小児看護で5年以上の経験をもち、小児看護領域の大学院在学中または大学院修了者である12名を対象に半構成的面接を実施し、Flickのエピソードインタビューの方法を参考に分析した。その結果、以下の5つの場面における、看護師の次のような関わりが明らかになった。1)子どもが拒否した場面では、【子どものイヤの理由をさぐる】【子どもの「これだったらできる」ところやものを探す】【子どもの意思を確認する】。2)子どもや家族が耐えていた場面では、【声をかけて親の気持ちを確認する】【言い出せない家族の気持ちを引き出す】【一番大事なことを見つけだす】【実現への道筋をつける】【後押しする】。3)家族が子どもの死に直面している場面では、【周囲の意見を聞く】【死をありのままに伝える】【場を作る】。4)自分で欲求を訴えられない幼い子どもの場面では、【普段の子どもの様子や、一般的な子どもの状態と比較する】【子どもの欲求を満たすタイミングを逃さない】【経過を追って評価する】。5)子どもと家族への関わりが難しかった場面では、【隠れていた子どもの力を引き出す糸口を見つける】【糸口に関わりながら子どもの反応を確かめる】【周囲に子どもの引き出された力をアピールする】。
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日本小児看護学会誌 14(2) 44-51 2005年9月子どもの家族や医療職者を動かし子どものケアに影響を与えた看護師のすぐれた看護実践を明らかにすることを目的に,小児看護領域の大学院の在学または修了者で,当該領域で5年以上の看護経験をもつ12名の看護師を対象に,エピソード・インタビューの手法を参考に作成した「子どもや家族へ行った看護場面を振り返るインタビューガイド」にもとづく半構成的面接を実施した.その結果,小児看護領域におけるすぐれた看護実践として,以下の5つが抽出された.1)子どもが混乱している場面で,子どもの力を引き出すためのモデルを自ら示し,子どものケアへ影響を与える.2)子どもが治療を拒否する場面で,子どもとの関係性を作ることからはじめ,カンファレンスを企画し,子どもの反応の捉え方や関わり方を共有することで,スタッフの子どもへのケアに影響を与える.3)気になる家族がいる場面で,「気になること」をスタッフと非公式に確認した後,家族を巻き込む看護を展開し,子どものケアに影響を与える.4)通常の慣例では上手くいかないと判断した場面で,自らが考えた関わりを家族やスタッフを巻き込みながらその場で展開し,子どものケアに影響を与える.5)病棟変革を行う場面で,管理者が自分の信念をもとにスタッフ全体を巻き込みながら,病棟のシステムを変化させることで,子どものケアに影響を与える
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日本看護科学会誌 24(2) 62-70 2004年6月子どもと大人の混合病棟で働く看護師が看護実践で感じている困難さを明らかにすることを目的に,混合病棟で働く看護師7名(24〜29歳.女性)への参加観察と面接,及び一般情報提供者14名(看護師,小児科医,入院患児・患者,患児の親)への面接を実施した.当研究では,研究参加者の選択,データ収集・分析を,レイニンガーの民族看護学の方法に準じて行った.その結果,混合病棟で働く看護師は,子どもへは看護師のペースで,大人へはその人に合わせた看護をしていると感じていた.また,混合病棟を子どもの病棟と感じ,子どもと一緒の病棟に入院してもらっている大人に気を遣っていることが分かった.一方で,混合病棟で行っている看護を深められず中途半端感をもったり,看護の専門性について模索していることが明らかになった
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日本小児看護学会誌 13(1) 24-31 2004年3月小児看護に関する海外の最新の知見を得るため,1998年から2002年6月の「Nursing Research」「Journal of Nursing Scholarship(image)」「Research in Nursing & Health」の3誌を対象に文献検索を行った.その結果,35件の文献が得られ,内訳は子どもだけを対象としている研究が19件(54.3%),家族だけを対象としている研究が15件(42.9%)であった.また,内容別では,対象理解に関するものが26件(74.3%),ケアの効果に関するものが9件(25.7%)であった.ケアの効果については,健康状態の変化だけでなく,入院期間やコストとの関連,子どもと家族の利益への貢献といった視点をもつことが重要であることが示唆された
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日本小児看護学会誌 13(1) 32-39 2004年3月雑誌「小児看護」の1999年から2002年8月までに記載された事例を対象に,ケアプロセスとケアの効果の記述について検討した.その結果,ケアプロセスのみでケアの効果が明確にされていない事例が多いことが分かった.これを受け,以下のような課題が挙げられた.1)外来や地域における子どもの看護事例が少なく,家族への退院指導の効果も明確にされていない.2)<重症時のケア>,子どもの<不安>など,ケアの効果を明らかにすることがむずかしい項目について,効果の見方を検討する.3)発達段階別のケア効果の見方を研究する
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日本小児看護学会誌 13(1) 46-53 2004年3月日本国内のこれまでの小児看護研究を概観することを目的に,「日本小児看護学会誌」(1999〜2002年8月),及び1982〜2002年8月の「日本看護科学会誌」「看護研究」の研究論文を検索し,病気を持つ子どもや家族,及び看護師などに関する研究69件を分析の対象とした.このうち,最も多かった研究テーマは,慢性疾患を持つ子供の家族について(14件)であった.今後の研究課題として,以下が挙げられた.1)慢性疾患を持つ子どもや家族に対する継続的援助に関する研究.2)障害を持つ子どもや在宅で医療的ケアが必要な子どもの家族への援助に焦点を当てた研究.3)死を迎える子どもや家族に関する研究,及びターミナルケアを行う看護師へのサポートに関する研究.4)治療の選択が必要な子どもの親への援助に関する研究.5)他職種との連携のあり方や,看護師の果たす役割についての研究.6)小児看護における倫理的問題への対応の仕方についての研究
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日本小児看護学会誌 13(1) 54-62 2004年3月小児看護関連の文献における看護師の臨床判断場面を抽出し,記述されている臨床判断を明らかにすることを目的に,「日本看護科学会誌」「看護研究」(いずれも1992〜2002年8月)及び「小児看護」(1999〜2002年8月)の文献を検討した.その結果,文献総数169件中,臨床判断場面が記述された文献は30件,臨床判断場面総数は36件であった.臨床判断の場面は,「症状・治療・検査」17件,「精神面」11件,「日常生活」8件に分類できた.このうち,最も多かった「症状・治療・検査」についての臨床判断場面では,その半数が「対象に対する判断」に留まっており,「ケアの効果に対する判断」までは検討されていないことが分かった
書籍等出版物
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南江堂 2019年7月 (ISBN: 9784524257287)
共同研究・競争的資金等の研究課題
2-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 2014年4月 - 2018年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2007年 - 2010年