草柳 浩子, 小泉 麗, 伊藤 和子, 草場 ヒフミ
武蔵野大学看護学研究所紀要 (10) 19-28 2016年3月
目的:小児事例を用いた"呼吸を安楽にする援助"シミュレーション教育プログラムについて教材および授業展開を学生の授業評価をもとに検討し、シミュレーション教育プログラムの洗練に向けた示唆を得る。対象:"呼吸を安楽にする援助"演習を受講した看護学生のうち、同意が得られた105名である。データ収集は研究者らが作成した自記式の質問紙とした。結果および考察:1)「演習過程」は概ねレディネスに即していると評価されていた。2)「演習到達度」得点は、ロールプレイ時の患者・親・看護学生役割により違いがみられ、親役割に比べ患児役割の学生が高かった。3)演習の時期が小児看護論実習前の学生は実習の準備、既に実習が終わった学生は実習経験の深めるものとして評価していた。4)ロールプレイ後の振り返りは、学生間および教員との対話や討議により、計画・実践したケアを確認し、評価する学習支援となっていることが推察された。教育プログラムの洗練の課題は、親の状況を加えた事例の提示、実践の場に類似した演習環境の整備、評価方法についての検討である。(著者抄録)