高橋 敦志, 和田 正人
教育メディア研究 24(1) 13-26 2017年 査読有り
本研究では,高等学校共通教科情報科におけるメディア・リテラシー教育の一環として,18歳選挙権に関する新聞の分析と制作を行い,どのような活動の時にどのような学びがなされるのか検討する。埼玉県にある大学附属高等学校で,高校生7名が編集長・取材班・調査班・論説班に分かれて新聞を制作し,Web上で公開した。生徒が学期末に作成した振り返りシートを,SCATを用いて質的分析した。その結果,中橋(2015)のメディア・リテラシーの構成要素のうち,メディアの特性を理解する能力やメディアを批判的に捉える能力,考えをメディアで表現する力などに相当する力の獲得・意識の変容が新聞分析を通して培われ,また,メディアを批判的に捉える能力やメディアによる対話とコミュニケーション能力に相当する力の獲得・意識の変容が新聞制作を通して培われたことが明らかになった。