松岡 志織, 水野 敏子
日本クリティカルケア看護学会誌, 16 94-103, Mar, 2020
本研究の目的は、ICUに入室した後期高齢者の入室中の体験を記述することで、看護支援の示唆を得ることである。13名に半構成的面接を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(Modified Grounded Theory Approach;M-GTA)を基に質的記述的に分析した。ICU入室中の体験は11カテゴリーが生成され、【現実世界への帰還】から始まり、【生きている実感】【非現実的なところに救いを求める】【命の危険が大きな場所】【現実感覚のつかめない時間】があった。麻酔の覚醒とともに【看護による心身の救済】を感じ、安心感から【手探りの対処】【予測して対処】を行い、【ICU社会への関心の広がり】【人生の振り返り】と広がっていった。これらを支えていたのは、【どのような状況になろうともなるようになる】という生き方であった。非現実的な語りがあるものの恐怖体験はなく、抑うつや不安を示すような語りはみられなかった。後期高齢者が半覚醒のときから安心が得られ、【予測して対処】することが促進できるよう援助していく必要がある。(著者抄録)