研究者業績
基本情報
- 所属
- 上智大学 実践宗教学研究科 死生学専攻 教授
- 学位
- 文学修士(1993年3月 東京大学)博士(文学)(1998年2月 東京大学)
- 連絡先
- kkasai
sophia.ac.jp - 研究者番号
- 00281014
- J-GLOBAL ID
- 200901097340246669
- researchmap会員ID
- 6000013087
上智大学大学院実践宗教学研究科死生学専攻教授。同大学グリーフケア研究所所員。チャプレン研究会主宰。公認心理師。
大学院およびグリーフケア研究所で、傾聴者養成に関わる演習科目等を担当。とくに依存症回復と宗教の関わりの研究、そして、傾聴者養成の方法論とその国際比較に、現在取り組んでいる。趣味は、散歩とステアクライミング。
主要な研究キーワード
3主要な経歴
6学歴
4-
1991年4月 - 1995年10月
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1989年4月 - 1991年3月
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1985年4月 - 1989年3月
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1981年4月 - 1984年3月
論文
52-
現代死生学 2 39-56 2024年3月 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
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グリーフケア 8 169-178 2020年2月29日 査読有り招待有り2019年3月、イラン・イスラーム共和国にて、日本の緩和ケアにおけるスピリチュアルケアについて講演し、現地にて緩和ケア/スピリチュアルケアの実際について視察を行った、その報告。
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東京大学宗教学年報 36 89-102 2019年3月31日小谷部全一郎は、日本人の著述家であり、内村鑑三などと同時代に米国へ渡り、神学や人類学を学び、英文で著述し、牧師として帰国した。北海道にてアイヌ教育事業に関わったのち、著述家として『成吉思汗ハ源義経也』などの著作をなした。この研究ノートは、著者がたまたま小谷部全一郎についての資料を受け取ることになり、小谷部の生涯と思想を整理しようとしたものである。
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グリーフケア 7 15-32 2019年2月 査読有り断酒自助会Alcoholics Anonymousは、無数の自助会に「言いっぱなし聞きっぱなし」形式のミーティング方法を提供しただけでなく、「12のステップ」をはじめとする数多くの文書を残している。それら文書は、彼らの失敗の経験が同時代と将来世代のために役に立つという確信に基づいている。なかでも、『12のステップと12の伝統』 は、AAが1935年の創立以来の急成長で直面したさまざまな失敗から学んだことを同時代の仲間や次代の仲間に共有するための書物であり、スピリチュアルケア、グリーフケアの実践や、自助会の運営に関わる者たちにとって有益な経験が記されている。「12のステップ」は個々のメンバーの内省を促しつつAAという共同体に向けてひらき、「12の伝統」は、彼らの回復と生存を支える共同体であるAAをどのように守るかに関心が向けられている。
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宗教研究 90(2) 3-27 2016年9月30日 査読有り招待有り依存症は、食のあり方の異常が、生き方や人間関係、人としての責任能力の上での問題として現れることが多い病理である。薬物依存からの回復を目指す仏教的なアプローチを検討する。米国の瞑想指導者ノア・レヴァインは、青少年時代の非行・犯罪と薬物・アルコールの濫用から回復するため、キリスト教の儀式から学んだ依存症回復プログラム「十二のステップ」と、仏教瞑想とを学び、両者を統合するプログラムを工夫、彼同様に苦しむ若者に瞑想を伝える努力を払っている。人としての困難に向き合わず困難を避け麻痺させる行為(薬物使用)の反復が依存とみる。依存は仏教でいう苦であり、仏教の三宝(仏—現実と向き合う仏の智慧、法—十二のステップや四諦八正道、僧—回復を目指す共同体)への帰依(尊重)が回復への道であると説く。
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Journal of Religion in Japan 5(2-3) 246-262 2016年 査読有り招待有り
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宗教研究 84(4) 950-951 2011年
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宗教研究 83(3) 987-993 2009年
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宗教研究 82(4) 958-959 2009年
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宗教研究 83(2) 385-408 2009年 査読有り招待有り筆頭著者最終著者責任著者
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宗教研究 81(3) 687-693 2007年
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宗教研究 80(4) 996-997 2007年
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宗教研究 79(4) 1043-1044 2006年
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宗教と社会 12 245-246 2006年
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宗教と社会 11 106-112 2005年
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宗教と社会 4 129-152 1998年<p>これまでの宗教集団が、創唱者や教義や制度によって存立したように、ばらばらな人間の流動的な集まりとされていた「精神世界」にも、それを存立させる<ゆるやかな共同性>がある。<ゆるやかな共同性>とは各種のメディアによって媒介された小集団あるいはそのような小集団どうしのつながりをつくりだす力である。そのような集団においては徹底した制度化がなされることは少ないし、全国的な組織とならずに、地域的な小集団にとどまることで、強い絆を持ち続けることも多い。「精神世界」が相互に連絡を欠いたばらばらな個人や小集団の寄せ集めであるという通念に併せ、当事者の多くに抱かれているのは外部とのゆるやかな関わりあいのイメージでもある。無数の小集団が「同時多発」し、相互に「照応」しあうという関わりあいのイメージは、当事者の意識のあり方とも対応し、「精神世界」が運動としてのまとまり(<ゆるやかな共同性>)をもつ上において、重要な役割を果たしている。</p>
MISC
30-
宗教研究 95(3) 86-91 2021年 筆頭著者
主要な書籍等出版物
25-
明石書店 2020年9月20日アルコール依存症の当事者が支え合う自助グループとして世界に広がり、現在の患者会、家族会、遺族会などの嚆矢となったアルコホーリクス・アノニマスの歴史。二人の共同創始者の死後も運動を維持するためにはどうしたらいいか、悩み抜いた二人は、さまざまな工夫をして、二人のカリスマに依存しない体制をつくっていく。世に一代限りで終わる慈善運動は多い。AAはどのようにして世代継承を行ったのか、その問いに答える古典的大著の邦訳。 詳しい紹介 じんぶん堂 https://book.asahi.com/jinbun/article/14090894 心の家路 https://ieji.org/2020/5257
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明石書店 2013年4月5日 (ISBN: 9784750337999)ケアは、善行せよという規範を満たすのみならず、他人の役に立つことで自己の存在意義を確認させる機能も持つ。規範と感覚からケア実践者を支える宗教は、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)としてどう機能するか。豊富な実例からの考察。
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春秋社 2012年5月1日 (ISBN: 4393360591)古来からの叡智と、現代の知見とを融合させ、人間的成長と社会貢献への道を模索する仏教心理学。その基本用語を厳選し、融合の成果を提示。
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春秋社 2010年3月1日 (ISBN: 9784393365113)変性意識論というのは、人間の意識の比較的小さい変化によってどんなことが起こりうるのかを考える心理学理論です。 ふだん、私たちは、自分の意識状態が目覚めている、覚醒していると考えています。しかし、運転しているときと、何か考え事をしているとき、本を読んでいるとき、いずれも何かには集中しているのですが、それぞれまったく異なる意識状態です。さまざまな意識状態の間を自覚せずして揺れ動きながら生きているのです。 意識状態を見つめる瞑想も、宗教が国境を越えて移動し混淆しあう現代社会において、改めて問い直されるべきなのでは? 古今東西の瞑想を通観する在俗者の視点をもちながら、瞑想を通して現代社会を考え、現代社会の観点から瞑想を見直す本です。
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世界思想社 2007年4月1日 (ISBN: 4790712605)本書は、米国発祥の匿名断酒自助会「アルコホーリクス・アノニマス」の研究です。 一人でやめられない酒を、仲間とならやめられると、彼らはいいます。それはなぜか。どのような背景で、「仲間とやめる」という形ができあがったのか。仲 間がそばにいることは、心理学的にどのような意味をもっているか。そして、仲間とやめるという実践のもつ宗教的意味は? アルコール依存症の医学的側面についての本はいろいろありますが、断酒自助会の背景となる思想を詳細に追った初めての本となっています。
主要な講演・口頭発表等
29-
Muslim Chaplaincy Conference, Fribourg University, Switzerland 2025年6月26日
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シンポジウム:戦争を知らない子どもたち グリーフケアの観点から 2024年6月23日 上智大学グリーフケア研究所軍隊墓地として現存する最大最古の墓地である真田山陸軍墓地を題材に、戦争関係者(兵士、従軍関係者、遺族等)と、追悼・慰霊・記憶について考えるシンポジウムを行った。葛西賢太の主旨説明と解説に続き、近藤力也と粟津賢太がそれぞれ講演を行った。
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Foundations of Buddhist Chaplaincy: A Japan-US Dialogue at UC Berkeley 2024年3月29日 招待有り
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巣ごもり読書会『Understanding Muslim Chaplaincy』 イスラーム・ジェンダー学科研 招待有り「巣ごもり読書会『Understanding Muslim Chaplaincy』」では、2014年に刊行されたソフィー・ギリアット=レイ(Sophie Gilliat-Ray)氏の書籍Understanding Muslim Chaplaincyについて、イランにおける医療が専門の細谷幸子氏、イスラームにおける宗教と医療を専門とする葛西賢太氏が報告を行った。 細谷氏の報告では、ムスリム・チャプレンの基本的な活動内容と、ムスリム・チャプレンは登場してきたイギリスの歴史的背景に関する説明を中心に、本書の概要を説明した。その後細谷氏は、ムスリム・チャプレンの日本における発展の可能性と現状に対する問題提起を行い、報告をまとめた。その後の葛西氏の報告では、イスラーム法学者であるウラマーやイマームといった既存の制度と、ムスリム・チャプレンの違いや、アメリカのサード・スペースの動きと比較しながらムスリム・チャプレンの持つ特徴やそれを要請する社会的背景について深く考察がなされた。 両者の報告の後で、フロアの方から、報告に対するコメントや論点が多く寄せられた。まず、アメリカのムスリム・コミュニティを研究する方から、サード・スペースの成り立ちと社会背景に対する説明があり、既存の宗教権威とサード・スペースの間の緊張関係が指摘され、それと比較して今後のムスリム・チャプレンのあり方に対する質問が投げられた。また、日本ムスリム協会の方から、日本の刑務所におけるムスリムに対する教誨師の活動に関する現状や医療機関におけるそのニーズに対する補足説明があったほか、ムスリム・チャプレンの活動の質を担保する資格制度に対する質問なども挙げられた。さらに日本に住むムスリマの方々から、日本のムスリム・コミュニティと、それをサポートする自助グループの存在とその運営に関する説明や、ムスリマの悩みといったジェンダーに関する日常の問題に対する日本のムスリム・コミュニティの現状に対するコメントが寄せられた。 当日の報告者である細谷幸子教授・葛西賢太の配布資料を、イスラーム・ジェンダー科研のホームページからダウンロード可能。
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日本宗教学会 2019年9月14日 日本宗教学会Ernest Kurtzは、米国の断酒自助会Alcoholics Anonymousの歴史を叙述した大著Not-Godで知られるが、同時に依存症問題を啓発する運動家でもあり、さらにもとは神父でもあった。彼がこのような本を書いた背景を吟味して報告した。
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American Academy of Religion 2016年11月21日
主要な所属学協会
7主要な共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2023年4月 - 2027年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2020年4月 - 2025年3月
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日本学術振興会 科学研究費 2018年 - 2021年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2009年 - 2011年
社会貢献活動
5メディア報道
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共同通信 福井新聞 こころ 2024年7月31日 新聞・雑誌2024年6月23日に上智大学四谷キャンパスで行われたシンポジウム「戦争を知らない子どもたち」と、同6月30日に行われた、真田山陸軍墓地見学会の二つの行事を取材した記事。共同通信から複数媒体に配信。