研究者業績
基本情報
- 所属
- 上智大学 言語科学研究科言語学専攻 教授(兼任)言語科学研究科言語学専攻主任
- 学位
- 文学士(東京女子大学)修士(教育学)(筑波大学)博士(心理学)(広島大学)
- 研究者番号
- 20280208
- J-GLOBAL ID
- 200901058072847403
- researchmap会員ID
- 1000189852
論文
29-
言語聴覚研究 20(1) 44-52 2023年3月 査読有り先天性相貌失認の1例を経験した.症例は大学卒で教員職の30歳台の女性.教員職へ転職し,人の顔を覚えるのに困り受診した.頭部MRIにて明らかな脳損傷はなかった.神経心理学的検査では,一般的な高次脳機能に明らかな低下はなかった.一方,熟知相貌の検査であるVisual Perception Test for Agnosia Famous Face Test version 2(VPTA-FFT ver.2)の顔パターンと頭部パターンの命名で,健常同年代平均+2SD以上低下した.未知相貌の記憶課題では反応にスムーズさを欠き,顔ではなく,服装で覚えていた.先天的に顔認知の低下があるといわれる自閉症は認めなかった.以上から,本例は先天性相貌失認と診断された.日常生活に困難さを抱える先天性相貌失認のある人に対する言語聴覚士の役割として,医師と連携して早期に評価と診断を行い,必要に応じて代償手段の指導を行うことが重要と考えた.
-
Sophia Linguistica 68(68) 197-220 2019年12月31日 査読有りThis study aimed to developing a discourse evaluation test for people with aphasia using correct information units(CIUs).
-
International Medical Journal 26(5) 363-365 2019年
-
高次脳機能研究 38(2) 177-183 2018年6月30日 招待有り失語症者の自己報告アウトカム測定ツールであるJAIQ-21について,内容紹介と失語症者への試用結果を報告した。
MISC
25-
地域リハビリテーション 9(4) 258-263 2014年4月15日 招待有り「生活に視点をおいた失語症の臨床」特集の最初に,失語症者を生活の視点からとらえることの重要性について述べた。
-
リハビリナース 7(1) 19-27 2014年1月10日 招待有り失語症者に対するリハビリテーションの概略を示した。
-
日本コミュニケーション障害学会学術講演会予稿集 38th 97 2012年4月3日
-
人間と科学 : 県立広島大学保健福祉学部誌 8(1) 189-189 2008年3月研究パネル国立情報学研究所で電子化
-
人間と科学 : 県立広島大学保健福祉学部誌 8(1) 67-77 2008年3月広島県立保健福祉短期大学および広島県立保健福祉大学に在籍した者を対象に,実習に関するアンケートを行った。質問は4群15項目であり,学内実習に続く学外実習を終えた時点で調査を行った。結果より次の4点が示された。(1)学生は学外実習前には知識不足を強く感じ,学外実習後はコミュニケーション面にも注意が向く。(2)学外実習に先だつ学内での実習を学生は役立つと考えており,段階的に臨床経験を積む効果が示唆される。(3)学外実習で学んだこととしては人間関係にまつわる回答が最も多い。(4)学外実習で印象に残ったことでもコミュニケーション面についての回答が多く,続いて知識や自分の不足をあげている。以上より,学生は学内実習から学外実習へと段階的に臨床経験を積むことにより,言語聴覚士としての専門性と社会性の両面で成長できたと考えられる。時代に伴う学生気質の変化が考えられるので,実習体制を柔軟に検討し続けることが重要である。
-
人間と科学 : 県立広島大学保健福祉学部誌 8(1) 57-66 2008年3月言語聴覚士学生26名に2日間のアサーション・トレーニングを実施し,「相互作用不安尺度」(IAS),「特性的自己効力感尺度」(SES),「アサーティブ・マインド・スケール」(AMS)を用いて効果を検討した。いずれの尺度でも,トレーニング前後で得点は望ましい方向へ有意に変化(IASでは低下,SESとAMSでは上昇)した。トレーニング前の得点をもとに参加者を3群に分けると,もともと望ましさの高かった群(IASでは低得点,SESとAMSでは高得点)ではトレーニング前後でほとんど得点は変わらなかったが,その他の群では1つの例外を除いて有意な改善があった。例外だったSESの低得点群でも,統計的検定のp値は0.06で,有意レベルに近かった。アサーション・トレーニングは,相互作用不安の低減や自己効力感およびアサーティブネスの向上に有効であり,学生のコミュニケーション能力向上を支援する方法のひとつとして適切だと考えられる。
-
広島県立保健福祉短期大学紀要 4(1) 129-135 1999年3月音声言語の表出が困難な重度失語症者のために, コンピュータ上で視覚シンボルを操作して文を伝達する視覚的コミュニケーションシステムを作成した。このシステムには検索を行うためのボタンとして, 動作主を表す「人々」ボタンと, 名詞や動詞を表す「名詞」, 「動詞」ボタンを設置し, 「名詞」中のシンボルはC-VIC(Computerized Visual Communication System, Steeleら;1989など)の考えを参考に, カテゴリーごとに階層構造をなすよう構成した。文構成は各ボタンを開いて適切なシンボルを選択し, コンピュータ画面中央に配置した文構成場所に順序よく配列する方法で行うことにした。その結果, 本システムは(1)重度失語症者の文構成の学習手段, (2)AAC(Augmentative & Alternative Communication)として利用することが可能になった。今後本システムを重度失語症者に適用して, 学習手段ならびにAACとしての有効性について検討する。
-
広島県立保健福祉短期大学紀要 4(1) 103-111 1999年3月談話の課題の違いが健常成人の産生する談話の量的側面に及ぼす影響を探るため, 健常者11名に対し7種類の異なる課題, すなわち情景画2種, 4コマ漫画, TVドラマ, 3つの語を用いた話, 手続きの説明2種を施行し, 課題の違いによる分析結果の差異, および被験者の違いによる傾向の有無を検討した。さらに, 分析結果のばらつきの度合いを課題間で比較した。量的な指標として, 発話時間, 正確な情報単位数など, 発話量・情報量を表す5指標, およびこれらの指標をもとに計算した, 発話効率・情報伝達効率を表す8指標の計13の指標を用いた。その結果, 10の指標において課題の違いにより分析結果に有意差が認められた。また, 12の指標において被験者の違いにより傾向が見られたことから, 個々の話者の特徴が異なる課題を通して一貫して認められる可能性が示唆された。また, 結果のばらつきの小さい課題はTVドラマ, 大きい課題は3つの語を用いた話であった。
-
広島県立保健福祉短期大学紀要 2(1) 21-29 1997年3月視覚失認を分類するにあたっては, Lissauer(1890)の提唱した方法が一般的に用いられている。それは視覚失認を統覚型視覚失認と連合型視覚失認の2つのタイプに分類する方法である。以前に筆者はLissauerのいう連合型視覚失認を呈すると思われる症例を経験したので, その詳細について発表した。しかしながら近年では, 認知神経心理学や情報処理理論の発展により視覚認知に関する詳細が明らかになってきたことから, 視覚認知障害を説明するための様々なモデルが利用されるようになっている。本稿では, 視覚認知に関する近年の考え方として, 次の2つのモデル, (1)物体認知過程に関するEllis&Young(1988)のモデルと, (2)Farah(1990)のニューラル・ネットワーク・モデルを紹介するとともに, 筆者が以前経験した連合型視覚失認患者の症状を近年の考え方に照らし合わせて再検討する。
書籍等出版物
32-
医学書院 2020年3月31日言語聴覚療法に応用できる可能性のある言語理論をふまえて、失語症の症状や評価、訓練方法について執筆した。
-
協同医書出版社 2018年1月5日 (ISBN: 9784763930545)失語症の原因や症状,訓練方法に加えて,失語症への拡大代替コミュニケーション適用や事例について,概説した。
講演・口頭発表等
43-
第60回日本リハビリテーション医学会学術集会 2023年6月30日 招待有り
所属学協会
11共同研究・競争的資金等の研究課題
15-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 2020年4月 - 2023年3月
-
2018年4月 - 2022年3月
-
2018年4月 - 2021年3月
-
2017年4月 - 2019年3月
-
2014年4月 - 2017年3月