梅田 孝太
「ニーチェにおける科学主義と反科学主義の再検討――ショーペンハウアーとの対比のなかで」(日本学術振興会基盤研究(C)課題番号17K02183)第二回研究会ワークショップ「科学と生」 2018年8月28日
本発表では, ニーチェを「科学主義」ないし「自然主義」的と評価する最近の解釈潮流に対して, それが取りこぼしてしまう「反科学主義」, 「芸術家」的なニーチェのテクストに着目した. そうすることで, むしろニーチェの科学論が逆照射されるようにして明らかになるという目算であった. はたしてその成果として, ニーチェが科学と芸術とを厳密に区別することなく, むしろ両者を相補的な関係にあるものとして考えていたことを示した.