桐生 正幸, 島田 貴仁, 畑 倫子, 樋口 匡貴, 高木 大資, 石盛 真徳, 荒井 崇史
日本心理学会大会発表論文集 84 IS-005-IS-005 2020年9月8日
日本の犯罪被害(年間90万件)の規模は交通事故や労働災害を上回り,その未然予防は社会的課題である。刑事司法の各段階(捜査,裁判,矯正・保護)では心理学者の職域が確立し一定の教育研究が行われているが,犯罪予防-特に潜在被害者を対象とした一次・二次予防-では,社会心理学・教育心理学・環境心理学といった有望な方法論が存在するにもかかわらず,専門職域の未整備もあり教育研究は立ち遅れていた。しかし,近年,警察の防犯分野と大学研究者との協働コンソーシアムの設立,個票のオープンデータ公開等,教育研究の環境が急速に整いつつある。本シンポジウムでは,これまで各地で実務家と協働を進めている研究者による取り組みを紹介し,社会に対する心理学の貢献可能性,協働で得られるメリットや苦労,学生教育の機会など今後の可能性と課題を討議したい。