DAVIES Ian J., 内田 寛, 相澤 守, 板谷 清司
無機マテリアル 6(278) 40-47 1999年
窒化ケイ素マグネシウム (MgSiN2) の焼結に及ぼす酸化イットリウム (Y2O3) 添加の影響を検討した.本論文で検討した焼結条件は, 焼成温度 (1400℃および1500℃), 焼成時間 (1~7h), およびY2O3添加量 (1~7mass%) であった.MgSiN2単味成形体を1500℃で1h焼成したところ, MgSiN2は部分的に熱分解しα一窒化ケイ素 (Si3N4) とβ一Si3N4が生成した.一方, 焼結助剤としてY2O3を3mass%MgSiN2に添加したところ, 1500℃で3h焼成してもMgSiN2の熱分解が起こらなかった.Y2O3の添加量を3~7mass%まで増加させると, Y2Si3O3N4の生成と生成量の増加が認められた.MgSiN2成形体を1500℃で3h焼成したところ, Y2O3無添加の場合の相対密度は約67%であったが, 3mass%Y2O3添加の場合には約90%となった.Y2O3の添加量を3~7mass%まで増加させると, MgSiN2焼結体の曲げ強度は160MPaから200MPaまで増加したが, 熱伝導率は15~18W・m-1・K-1の範囲であった.