研究者業績

角皆 宏

ツノガイ ヒロシ  (Tsunogai Hiroshi)

基本情報

所属
上智大学 理工学部情報理工学科 教授
学位
博士(理学)(早稲田大学)

連絡先
tsuno-hsophia.ac.jp
研究者番号
20267412
J-GLOBAL ID
200901084680158590
researchmap会員ID
1000212241

1993年頃~:代数多様体の基本群に付随するGalois表現について研究を始める
1995年頃~:特に外Galois表現の次数Lie環化について、計算機による具体的な計算のためのプログラムの開発や、実際に計算を行なって現象を観察することを始める
1997年頃~:点配置空間やその上の群作用を利用したGrothendieck-Teichmueller群内でのGalois像の性質の研究や、dessin d'enfantsにも関心を拡げる
2000年頃~:多重ゼータ値やそれらが成す環にも関心を拡げる
2002年頃~:Galois群の構成問題(特に生成的多項式の構成)やNoether問題にも関心を拡げる
2016年頃~:簡明な生成的多項式の代数的整数論への応用にも関心を拡げる

○研究活動:整数論。以前は基本群に付随するGalois表現を中心に研究していたが、近年はGaloisの構成問題、特に生成的多項式の具体的構成やNoetherの問題およびその変種、それらの代数的整数論への応用などに研究の中心を移している。
○教育活動:数学科目の他、数学科・情報理工学科科目の情報系科目や教職課程科目の数学科教育法を担当。

(研究テーマ)
整数論


経歴

 9

学歴

 1

委員歴

 3

論文

 14

MISC

 12

書籍等出版物

 4

講演・口頭発表等

 24
  • 角皆 宏
    「dessinの数え上げと計算」セミナー 2022年11月21日
    種数1の計算例とともに、その計算に必要となった多項式が複数の重根を持つ条件について紹介し、その不変式論との関連について述べた。60分。
  • 角皆 宏
    早稲田整数論セミナー 2022年9月30日  招待有り
    Shanksの3次巡回多項式において、助変数tを整数値に特殊化した際に得られる3次巡回体は、最簡3次体 (simplest cubic fields) と呼ばれ、根が単数群を生成するなど興味深い性質を持つため、数多くの研究がある。特に差積が素数pの場合には、導手pの3次巡回体のGauss周期とShanks多項式の根との関係が知られている。本講演では、最簡とも素数導手とも限らない一般の3次巡回体に対して、Gauss周期とShanks多項式との関係を一般化する。素数導手の場合と異なり、合成数導手dの3次巡回体は複数あるので、Shanks多項式の助変数tを特殊化して得られる導手dの3次巡回体がそのうちのどれであるか、特定することが必要である。また、合成数導手の場合、その体が最簡3次体であっても、議論の中で最簡でない3次体を経由するので、tの値を有理数まで拡げて考えることが必要になる。Gauss以来の古典的な結果を振り返りながら、今回考察を拡げた部分について紹介する。90分。
  • 角皆 宏
    第27回整数論サマースクール「構成的ガロア逆問題と不変体の有理性問題」 2019年9月9日 第27回整数論サマースクール世話人  招待有り
    第27回整数論サマースクール「構成的ガロア逆問題と不変体の有理性問題」での講演。90分。
  • 角皆 宏
    第27回整数論サマースクール「構成的ガロア逆問題と不変体の有理性問題」 2019年9月7日 第27回整数論サマースクール世話人  招待有り
    第27回整数論サマースクール「構成的ガロア逆問題と不変体の有理性問題」での講演。75分。
  • 角皆 宏
    上智大学数学談話会 2019年4月26日 上智大学大学院理工学研究科理工学専攻数学領域
    構成的Galois理論の一つの話題として、Brumer・橋本らによって構成・研究された二面体型5次多項式について、複比を用いた再構成について紹介する。また、この多項式の代数的整数論への応用として、不分岐双二次拡大を持つ二面体型5次体の構成や、明示的な単数を充分に持つ二面体型5次体の構成について触れる。(60分)
  • 角皆 宏
    代数的整数論とその周辺2018 2018年11月28日
    ガロア閉包のガロア群が5次二面体群D_5と同型であるような5次体を、二面体型5次体と呼ぶ。本講演では、Brumer、橋本、ならびに講演者によって構成・考察された生成的D_5多項式を利用して、不分岐(2,2)拡大を持つ(すなわち、イデアル類群の2-rankが2以上の)二面体型5次体の無限族を構成する。このガロア閉包を取ることにより、不分岐(2,2,2,2,2)拡大を持つ(イデアル類群の2-rankが5以上の)有理数体のD_5拡大体の無限族も得られる。本研究の一部かつ本質的な部分は、加藤優一氏(上智大学2017年度修士修了)との共同研究であり、彼の修士論文の結果を含む。50分。
  • 角皆 宏
    早稲田整数論セミナー 2018年6月29日
    ガロア閉包のガロア群が5次二面体群D_5と同型であるような5次体を、二面体型5次体と呼ぶ。本講演では、Brumer、橋本、ならびに講演者によって構成・考察された生成的D_5多項式を利用して、不分岐(2,2)拡大を持つ(すなわち、イデアル類群の2-rankが2以上の)二面体型5次体の無限族を構成する。このガロア閉包を取ることにより、不分岐(2,2,2,2,2)拡大を持つ(イデアル類群の2-rankが5以上の)有理数体のD_5拡大体の無限族も得られる。本研究の一部かつ本質的な部分は、加藤優一氏(上智大学2017年度修士修了)との共同研究であり、彼の修士論文の結果を含む。90分。
  • 角皆 宏
    早稲田整数論セミナー 2016年10月21日
    dessin d'enfants(以下では単にdessin)とは、位相的Riemann 面(有向閉曲面)Σに埋込まれた二部グラフDの組(Σ,D)の同相類のことで、Belyiの定理により、数体上定義される代数曲線XとP^1への0,1,∞の外不分岐な被覆β:X→P^1の組(X,β)(Belyi対)の同型類と一対一に対応する。原理的にはdessinの位相的情報からBelyi対の方程式や定義体の情報(dessinのGalois軌道)がわかる筈だが、その関係には未解明な部分が多い。講演者は特に種数1のBelyi対の網羅的な計算を試み、6次以下のすべてのdessinに対してBelyi対の方程式および定義体を決定し、種数1の6次以下のdessinではGalois軌道が既知のGalois不変量で分離されていることがわかったので、計算例を交えて紹介する。また、これらの計算の一部の場合では、多項式が2重根を2組持つ条件を扱うことが必要になった。このことにも触れたい。90分。
  • Low dimensional topology and number theory VIII 2016年3月23日  招待有り
  • 角皆 宏
    研究集会「Tokyo Journal of Mathematics 筱田記念号刊行に寄せて」 2016年3月21日  招待有り
    60分
  • 角皆 宏, 澤 道彦
    日本数学会2016年度年会(代数学分科会) 2016年3月17日 日本数学会
  • 角皆 宏
    Workshop on Galois point and related topics 2013年9月14日  招待有り
  • 角皆 宏
    下関数論小研究集会 2012年3月3日
  • 角皆 宏
    上智大学数学教室談話会 2011年7月15日 上智大学理工学部数学教室
    「ガロア群の構成問題 : 所与の体Kと有限群Gとに対し、ガロア群がGと同型なK上のガロア拡大L/Kは存在するか。あるならLを分解体に持つK上の多項式を具体的に構成せよ」に対し、「Noetherの問題 : K上のn変数有理関数体にn次置換群が変数の置換で作用する時、その固定体はK上有理的か」の考察は古典的かつ有力な手法である。本講演では、その変種である「複比型Noether問題」および関連する問題について、ここ数年の修士論文指導の成果も含めて紹介する。(60分)
  • 角皆 宏
    第49回可換代数研究集会 2010年12月29日
  • Mamoru Asada, Hiroaki Nakamura, Naotake Takao, Hiroshi Tsunogai
    The 3rd MSJ-SI "Development of Galois-Teichmüller Theory and Anabelian Geometry" 2010年10月25日 Mathematical Society of Japan, Research Institute for Mathematical Sciences, Kyoto University
  • 角皆 宏
    研究集会「多重ゼータ値の諸相」 2010年9月9日 京都大学数理解析研究所  招待有り
  • 角皆 宏
    第8回北陸数論研究集会 2009年12月25日
  • 角皆 宏, 橋本喜一朗
    研究集会「ガロア理論とその周辺 徳島2008」 2008年9月12日
  • 角皆 宏, 橋本 喜一朗
    研究集会「ガロア理論とその周辺」 2007年11月4日
    I,II各50分のうち、IIの50分登壇。
  • 角皆 宏
    第5回北陸数論研究集会 2006年12月26日
  • 角皆 宏
    福岡数論研究集会 2006年8月24日
  • 角皆 宏
    研究集会「代数方程式とガロア群」 2005年9月8日
  • 角皆 宏
    研究集会「代数的整数論とその周辺」 2004年12月10日 京都大学数理解析研究所

所属学協会

 2

共同研究・競争的資金等の研究課題

 14

学術貢献活動

 2

社会貢献活動

 24

その他

 13
  • 2011年 - 現在
    情報理工学科の「卒業研究」において、総まとめとして学科全体で行なっている「卒業研究発表会」に向けた予稿集原稿作成の添削や卒業研究発表の練習に充分な時間を掛け、「発表」の質を高めるよう指導している。
  • 2006年10月 - 現在
    数学では従来板書を中心とした講義形式が伝統的であったが、近年は情報機器の使い勝手も良くなっているので、有効に活用することを模索している。プロジェクタ資料を主として授業を行なうのではなく、復習・概説部分に用いて、詳しい内容については従来通りの板書形式にするなど、試行錯誤をしている最中である。この資料も授業後は授業ウェブページに掲載している。また、オンライン授業の際には事前にLMS(moodle)を用いて受講生に提示するようにした。これはその後も可能な限り続けている。
  • 2020年5月 - 2021年10月
    2020年初頭からの新型感染症蔓延により従来通りの教室での対面授業の実施が憚られたため、オンラインコミュニケーションツールZoomを用いて、同時双方向的な授業を実施した。投影資料を画面共有機能で受講生の画面に映しながらの説明だけでなく、スマートフォンカメラを書画カメラ代わりに用いて、机上の紙にその場で書いていくことで、教室での授業における板書を再現し、臨場感を持たせた。この試みは受講生にも評価され、2020年度春学期「数学BⅠ(微分積分)」(情報理工学科1年次必修科目)に対し、2020年度理工学部授業顕彰の対象科目に選ばれた。
  • 2001年 - 2019年
    数学の基礎的な科目に於いては適切な時期に中間試験を行ない、理解度の確認を行なっていた。基本的な問題については期末試験にも追試的に類似の問題を出題している。授業期間中に教場試験の形式で実施することへの管理上の問題(不正行為対策など)のため、現在は中間試験の実施は取りやめている。
  • 2011年11月 - 2011年11月
    2008年度から実施された理工学部再編にあたって、新学科のカリキュラム策定および実施運用に関わった経験から、この再編カリキュラムの理念と現状の問題点、ならびに見直しに向けた動きを紹介した。