文学部

永富 友海

ナガトミ トモミ  (Nagatomi Tomomi)

基本情報

所属
上智大学 文学部英文学科 教授
(兼任)文学研究科英米文学専攻主任
学位
文学士(津田塾大学)
文学修士(慶應義塾大学)
文学修士(東京大学)
D.Phil(University of Sussex)
博士(サセックス大学)

研究者番号
60305399
J-GLOBAL ID
200901036943660444
researchmap会員ID
5000079159

1.1995年10月~1996年9月 Sussex Universityにおいて、Marriage with a Deceased Wife's Sister Billについての史料収集と調査分析をおこなう。
2.1999年~2000年「ヴィクトリア朝小説における血縁と類縁」の研究をおこなう
3.2002年~2004年「ヴィクトリア朝小説における家族パラダイムの変換の核としての従兄弟/従姉妹表象」の研究をおこなう
4.2005年~2007年「19世紀イギリス小説における相続と擬似父親」の研究をおこなう
5.2008年~2010年「19世紀イギリス小説における結婚法変遷の意味作用の分析」の研究をおこなう
6.2011年~2013年「19世紀イギリス小説における『違法性』の表象の分析」の研究をおこなう
7.2014年~2016年「19世紀イギリス小説における「スキットルズ」の痕跡研究」をおこなう
8.2018年~ 「19世紀イギリス小説史の正典形成とセンセーショナリズム」の研究を続行中

結婚と相続をプロットの基盤とする19世紀イギリス小説を、身内/他者の境界線に位置する従兄弟/従姉妹、義兄弟/義姉妹に着目しながら、血縁と類縁のディスコースとして読み解くことにより、イギリス小説史の新たな見取り図を描き出すことが現在の研究の目的である。
教育面については、学生の言語能力の低下、文学への興味のなさ、発信への欲望に比して、受容への関心の低さという現状に対する打開策として、1)英文和訳を通じて日本語への過剰な意識を高める 2)短編小説などの文学的素材へのアプローチを一年時から集中的に行うことにより、文学の言語への理解をうながす 3)言語化されていない登場人物の心情を議論させることにより、思考力と想像力を養わせる 4)短い短編を自宅で学習させ、内容把握の小テストを行い、他者による説明解釈を経ない時点での理解度を学生各人に認識させることにより、相互的な意見交換の重要性を理解させるといった授業運営をおこなっている。また授業外の活動として、科学研究費補助金により、現代作家を招いての討論会、読書アンケートなどの活動を行っている。

(研究テーマ)
ヴィクトリア朝小説における家族パラダイムの変遷の核としての従兄弟/従姉妹表象
19世紀イギリス小説における相続と疑似父親
19世紀イギリス小説における結婚法変遷の意味作用の分析
19世紀イギリス小説における「違法性」の表象の分析
19世紀イギリス小説における「スキットルズ」の痕跡研究
19世紀イギリス小説史の正典形成とセンセーショナリズム


経歴

 10

論文

 25

MISC

 7

書籍等出版物

 13

講演・口頭発表等

 11
  • 永富 友海
    日本英文学会第94回大会シンポジアム第3部門 英文学と仕事 2022年5月22日
  • 永富友海;舟川一彦;松村伸一
    日本ハーディ協会第64回大会 2021年10月30日
  • 永富 友海
    日本ハーディ協会第53回大会シンポジウム「ハーディとカントリーハウスの伝統」 2010年10月30日 日本ハーディ協会
    Hardyは、処女作Desperate Remediesにおいて、すべての謎の根源にillegitimacyを潜ませた点で、センセーション・ノヴェルの領袖たるWilkie Collinsの手法を正しく模倣したといえる。出生に関する秘密を起源とするナラティヴが行き着く先は、誰が土地、屋敷、財産を相続するのかという問題である。センセーション・ノヴェルが秘める転覆的な力の一端はしたがって、エンディングのあり方に現れるといっても過言ではない。Desperate Remediesのエンディングは、Collinsの作品同様、実は興味深い問題を孕んではいるものの、相続するにもっともふさわしいと思われる次世代の人物の手に屋敷と財産が渡っていくことを保証する。だが、M. E. BraddonのLady Audley’s Secretは、その定式には当てはまらない。Audley Courtの相続と繁栄を可能にするプロットは容易に手に入ったはずなのに、作者はその可能性を選択しなかった。本発表では、相続という見地から、センセーション・ノヴェルの特性を考察した。
  • NAGATOMI TOMOMI
    Silence in Thomas Hardy’s Work 2010年10月22日 Colloque Thomas Hardy
    One of the most conspicuous narrative blanks or silence, of the corpus of Thomas Hardy’s works is to be found in The Mayor of Casterbridge: a span of 18 years, following the notoriously dramatic episode in which Michael Henchard sells his wife in a drunken stupor at the Weydon-Priors fair. What seems interesting is that this conspicuous silence makes some other problematics of narrative silence in the novel unnoticeable. My purpose is to elucidate the meaning of this narrative silence or reticence by focusing on Elizabeth-Jane’s birth. Overlooking her illegitimacy would lead to a total misreading of the narrative silence about Elizabeth-Jane, and also of the subversive nature of this text.

共同研究・競争的資金等の研究課題

 11

社会貢献活動

 4

その他

 1
  • 2005年4月 - 2008年3月
    科学研究費補助金基盤研究(B)「文学創造の現場と文学史」(課題番号:17320052)により、現在日本の文壇で活躍中の若手作家の方々を少人数のゼミにお招きし、読書アンケートに基づいた対話の場を設けることによって、「文学」に対する学生の関心を意識的に引き出すことを目指していている。